君だから。
ああ、やっぱり私はこの顔に弱いみたい。
「そ、そんな謝らないで!私そういうの慣れてなくて…。だから、その、晴翔くんのせいじゃないよ?」
私は必死で晴翔くんにそう伝えた。
「俺さ、思ったことすぐ言っちゃうからって、あ…」
また赤くなる私を見た晴翔くんは途中で言うのをやめた。
そして────
「ごめん!」
大きく頭を下げて謝ってきた。
「や、九条くん!もう大丈夫だから。この子そういう子だから!」
「そうそう!昨日も私たちが褒めたら照れてたから!」
「そんなに気にしなくていいよ〜」
3人が必死でフォローし、何とかその場を収めた。
みんな、ありがとう。私は心からそう思った。
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放課後。
「晴翔くーんっ!今日みんなでカラオケ行かない?」
そんな誘いとともに晴翔くんはあっという間に女子たちに囲まれる。
こうして、放課後に遊びに誘われているのはいつものこと。
だけど、晴翔くんはいくら誘われてもいつも参加することはなく────
「あ、ごめん!今日予定あるからまた今度ね!」
今日も誘いを断っていた。