君だから。
「えー!残念…。まあ、仕方ないよね。また今度いこーねっ!」
「じゃあみんな行こっかー」
じゃあね〜と言ってみんな教室から去っていった。
あ、嵐のように去っていった…。
私はその光景をただボーッと眺めていた。
すると、晴翔くんはこちらを向いて声をかけてくる。
「葵ちゃん。今日これから予定とかありますか?」
何故か敬語でそう聞かれる。
というか、さっき予定あるって言ってなかったっけ?
「えっと…」
とりあえず返事をし困った私は隣にいた凛を見た。
すると────
「私、今日予定あるから一緒に帰れない」
「私も!」
「私も〜」
じゃあねと3人はそそくさと帰っていった。
あ、これ絶対わざとだ。
直感でそう悟る。
これは、断るなということなのかな?
「えっと、無いです」
晴翔くんにつられて私も敬語になってしまう。
「じゃあ、これから遊びに行かない?」
にこっと笑ってじーっと私の顔を見つめる晴翔くん。
だけどやっぱりさっきの事が気になって仕方がない。
よし、聞いてみよう。