君だから。


「あの、晴翔くんはさっき予定あるって…」


何となくぎこちなくなってしまったが晴翔くんは素直に答えたくれた。


「あー、あれは断る口実だから。ああいうのって行ったら楽しいんだけど疲れるから。だから、たまにでいいかなーって」


それに、と晴翔くんは下を向いて────


「葵ちゃんと遊びたかった…から」


と恥ずかしそうにそう言った。


あ、晴翔くん少し赤い。


なんだかかわいいな。


思わず笑いながら


「私も暇なので…」


そう答えた。



✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼



「うーん、どこ行きたい?」


そう言って私の顔を覗き込んでくる晴翔くん。


その顔はすごく整っているからとても綺麗。


スッと通った鼻筋に吸い込まれそうなほど澄んだ瞳。


そして、ふわっと笑って


「葵ちゃん?」


なんて言うんだ。


きっと私が晴翔くんに見とれて返事をしなかったからかな。


見とれてたことに気付いてないよね?


そうだといいな。


「あ、ごめん。うーんと…な、何しよっか?」


特に行きたいところもなく晴翔くんに質問で返してしまう。


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