君だから。
こういう時ってみんなどこに行くんだろ…。
あんまり放課後に遊びに行かない私にはわからなかった。
「あ、じゃあさ、ゲーセンでも行く?」
「ゲーセン?」
前に凛と何回か行ったことはあるけど…。
プリクラ撮っただけだったなぁ。
「い、嫌だった?」
「ううん、行きたい」
「ほんと?じゃあ、ゲーセンにしよっか。定番だけど」
晴翔くんはそう言ってハハッと笑いながら歩き出した。
そんな晴翔くんの隣を歩く。
晴翔くんは私の歩幅に合わせてゆっくりと歩いてくれた。
そして、私はそっと横を歩く晴翔くんを眺めた。
すると晴翔くんがこっちを見て
「どした?」
と、首を傾げて私を見る。
その時、我に返った私は慌ててしまう。
「あ、えと、晴翔くん背が高いなぁと思って…」
やばいやばい!
とっさに本当のこと言っちゃった!
「ははっ、葵ちゃん焦りすぎ。気にしてないよ?」
私が慌てているのを見て、晴翔くんは笑いながらそう言って私のことを気遣ってくれた。
うう、恥ずかしい…。
そしてまた、顔が熱くなった。
「う、うん…」