君だから。


こういう時ってみんなどこに行くんだろ…。


あんまり放課後に遊びに行かない私にはわからなかった。


「あ、じゃあさ、ゲーセンでも行く?」


「ゲーセン?」


前に凛と何回か行ったことはあるけど…。


プリクラ撮っただけだったなぁ。


「い、嫌だった?」


「ううん、行きたい」


「ほんと?じゃあ、ゲーセンにしよっか。定番だけど」


晴翔くんはそう言ってハハッと笑いながら歩き出した。


そんな晴翔くんの隣を歩く。


晴翔くんは私の歩幅に合わせてゆっくりと歩いてくれた。


そして、私はそっと横を歩く晴翔くんを眺めた。


すると晴翔くんがこっちを見て


「どした?」


と、首を傾げて私を見る。


その時、我に返った私は慌ててしまう。


「あ、えと、晴翔くん背が高いなぁと思って…」


やばいやばい!


とっさに本当のこと言っちゃった!


「ははっ、葵ちゃん焦りすぎ。気にしてないよ?」


私が慌てているのを見て、晴翔くんは笑いながらそう言って私のことを気遣ってくれた。


うう、恥ずかしい…。


そしてまた、顔が熱くなった。


「う、うん…」


< 41 / 84 >

この作品をシェア

pagetop