君だから。
少し赤くなった顔を隠すように私はうつむいた。
「俺、昔すごい小さくてさ。身長低いのすげー気にしてた。だから、葵ちゃんに背が高いって言われて嬉しかったよ」
晴翔くんは心から嬉しそうに、笑顔でそう言ってくれる。
優しすぎるよ、晴翔くん。
私は心の中でそう思いながらも返事をする。
「そうだったん…だ。え、でも小さかったの意外」
「俺、中学の時バスケやってたって言ってたじゃん?そのときはほんっとに背低くてよくみんなにバカにされてて、いつか絶対お前らより高くなってやる!って思ってた。まあ、結局高校生になってから伸びたんだけどね」
なんだか晴翔くんの意外な過去を知ってしまった。
今の身長からは想像がつかないな。
「えっと、晴翔くんは昔何センチだったの?」
私の質問に驚いた晴翔くんは少し驚いた様子で私を見る。
「え、そこ聞く!?恥ずかしいなー。でも…葵ちゃんには特別に────」
そう言って晴翔くんは私に近づいてきて────
「160もなかったよ」
耳元でそう囁いてきた。
ドキッ────
心臓がうるさい。
なんで、こんなにドキドキするんだろう。