君だから。


「晴翔くん、頑張って」


なんだか、私も応援したくなり、思わず声に出してしまっていた。


晴翔くんはそっと頷き、レバーを動かし始めた。


そして、ボタンを押す。


ぬいぐるみを掴んで出口へ向かうクレーン。


そして、ポンッと音がする。


『あ!』


私と晴翔くんは同時に反応し、顔を見合わせた。


そして、晴翔くんは満面の笑みで


「よっしゃ!取れたよ」


軽くガッツポーズをする。


そして、はいどーぞ。と私にぬいぐるみを差し出す。


その顔はとっても嬉しそう。


「あり、がとう…」


「どーいたしまして」


にこっと微笑んでペコリと頭を下げた晴翔くん。


晴翔くんはよく笑う人だなぁ。


きっとこの笑顔は無敵だと思う。


また、ぎゅうっと胸が苦しくなった。


これは、恋なのかな…。


それはまだ、私にはわからない。



✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼



それから私たちはいろいろなゲームをして遊んだ。


晴翔くんはうさぎのぬいぐるみの他にもストラップやお菓子などを取ってくれた。


な、慣れてる…。


こんなにたくさんもらっていいのかなぁ。

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