君だから。
飴玉を見つめて嬉しそうにはしゃいでる晴翔くんはとても、可愛くてちょっと子どもっぽいところもあるんだなと思った。
晴翔くんは飴が好きなのかなぁ。
喜んでもらえてよかった。
本当は喜んでくれなかったらどうしようってすごく心配だったから。
幸せそうに笑っている晴翔くんを見ると安心した。
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「葵ちゃん、今日は楽しかった?」
帰り道、晴翔くんは私の顔を覗き込みながらそう尋ねてきた。
「うん、楽しかったよ。あの、いっぱい取ってくれてありがとう…。」
「いえいえ!これくらい大したことないから」
晴翔くんは謙遜するが結構すごいと思う。
それでも、晴翔くんが大したことないと言うのならそう思うことにした。
「実はさ、久々だったんだよ。ゲーセンに来たの。だから、腕が鈍ってた」
そう言って苦笑いする晴翔くん。
え、あれで鈍ってたの…。
とても、そんな風には見えなかった。
「昔はよく来てたの?」
「週一くらいかなー。兄貴とよく来てたよ」
「あ、お兄さんと来てたんだね」
「兄貴すげー下手くそでさ。よく付き合わされてたんだよ」