君だから。
あああっ、でも、恥ずかしい…。
こういう事言われるのに慣れてない私はやっぱり照れてしまう。
慣れないとなぁ。
もう思ってもなかなか慣れないんだろな…。
きっと、そんな気がする。
それにしても晴翔くんはどうしてそんなに優しいんだろう…。
私なんて全く可愛くないのに…。
目がおかしいのかそれともお世辞なのか。
晴翔くんの真っ直ぐな言葉を信じれない私はそんな失礼なことを考えてしまっていた。
もう、考えるのやめよう。
「葵ちゃん?」
気付けば、考え事をして黙り込んでいた私を晴翔くんは心配そうに見つめていた。
「ああ、えっと、ありがとう。晴翔くんは優しいね」
「え、俺優しい?」
何故か私の言葉を不思議がる晴翔くん。
晴翔くんは、優しいよ。
いつもいつも、笑顔で私と接してくれる。
朝は必ず挨拶してくれるし、帰りはまた明日って言ってくれる。
私なんて地味で目立たない空気みたいなそんな存在。
どこにでもいるし、パッとしないし名前だって覚えられていないかもしれない。
だけど、晴翔くんは今みたいに私に普通に話しかけてくれる。