君だから。
4. 体育祭


『きゃー!』


『かっこいいー!』


『晴翔くーん!!』


という女子たちの黄色い歓声が聞こえてくる。


やっぱり晴翔くんは人気者だなぁ。


私はしみじみとそう思った。


そして今は体育祭の真っ最中。


私が参加する女子バレーは2回戦で敗退しみんなで他を応援することになった。


そして私は晴翔くんのいるバスケを見に来ていた。


晴翔くんに見ててって言われたから────



男子バスケはこの試合を勝てば決勝戦に進出出来るというところまできていて。


「晴翔任せたっ!」


そう言ったのはバスケ部の長谷川 隼也(はせがわ しゅんや)君で最近晴翔くんと一緒にいるメンバーの一人。


どうやらバスケを通して意気投合したらしく、たびたびバスケの話になっては盛り上がっている。



ダンっダンっ────


シュっ────



晴翔くんの投げたボールは網をくぐり見事シュートが決まる。



「きゃあぁ〜!!」


一際大きくなる歓声。


私も一緒に応援したいけどそんな勇気は出せずに拍手をするので精一杯だった。


すると晴翔くんがこっちを見てにこっと笑った。

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