君だから。
私は男子に免疫がない。まあ、唯一話せる男子と言えば凛の彼氏くらいのもので…
「九条の席は窓際の一番後ろの空いてる席だ。七瀬の隣なー」
「はい」
九条くんはこっちに向かって歩いてくる。
「えっと、七瀬さん?」
「は、はいっ」
突然、九条くんに話しかけられ私は咄嗟に変な返事をしてしまう。
「俺、こっちに来たばっかりだからさ、色々と教えてくれると助かります。えっと、迷惑かな?」
そう言って九条くんはニコっと笑った。
私はブンブンと首を振る。
「迷惑じゃないよ。こちらこそよろしくお願いします」
そう言って私はぺこりと頭を下げた。
「よかった。ありがとう七瀬さん」
そして、九条くんはまた微笑んだ。
その姿を見て一瞬ドキッとした。
なんだろう?
すごく爽やかな人だなぁ…
思わず彼に見惚れてしまう。