君だから。
「え、むしろそれで隠してたつもりなの?」
うわー、バレてるしー。
「隼也、知ってたなら教えてよ!俺、七瀬さんに告っちゃったじゃんか!」
「それは、鈍いお前が悪い」
「うっ、それは…つか、晴翔も教えろよなー」
ふてくされた顔をして涼佑が俺を見てくる。
言ったらすぐにバラされるじゃんか。
「言いふらすなよ?」
「言わねーよ。言ったら大騒ぎになるだろ」
まあ、そうなるよなぁ。
でも、葵ちゃんはもうクラスの中でも存在が大きくなってる気がする。
初めて会った時よりもオシャレになって、新しい友達も出来たみたいだし。何よりも、笑顔が増えた。
「七瀬さん変わったよな」
「それな」
「晴翔のこと好きなんじゃね?」
隼也がいきなりそんなことを言うから思わず手に持っていたジュースを落としそうになる。
「ないないっ!てか、何でそうなるんだよ!?」
「いや、だって七瀬さんが仲良くしてる男子ってお前だけじゃね?」
「それは、おれが頻繁に話しかけるからで…」
「どうだかなー?聞いてあげようか?」
「は?」
だからなんでそうなるんだよっ。そんなこと聞いたら大変なことになる。