君だから。
5.
晴翔side
体育祭が終わって三日が経った。
体育祭は金曜日に行われたから土日はじゅうぶん休めた。
だから、あれから葵ちゃんとは会っていない。
遊びに誘うとか緊張するな。
しかも休日だし…。
この前、隼也に提案されたみんなで遊びに行く件について話し合った結果、今度の日曜日に遊園地に行くことになった。ちょっと急すぎる気もしたけど、とりあえず従うことにした。
俺だって、葵ちゃんと遊びに行きたいし。
「晴翔くん、おはよう」
「えっ!おはよう」
「ごめん、驚かせちゃった?」
俺が葵ちゃんのこと考えてたら、急に挨拶されちゃって正直驚いたけど、話しかけてくれたことが嬉しかったりする。
いつも、俺からばかりだったからなぁ。
葵ちゃんニコニコしてる。
やばいって、かわいすぎる。
俺が何を考えてたかなんてきっと葵ちゃんには分からないんだろうなぁ。
「ちょっと、ボーッとしてた」
苦笑いして俺は考え事をしていたことを悟られないよう誤魔化した。
「休めた?」
「うん、休めたよ。ほら、もうピンピンしてる」
「ふふっ、よかった」