君だから。

こんな、普通に私に話しかけてくれる人いるんだなぁ…


ついつい私はそう思ってしまった。


声かけられたことなんて凛を除いて今まで無かったから────


そんな、初めての出来事に不思議な気持ちになってしまう。


九条くんとだったら仲良くなれる？


自分とは全く正反対なはずなのに私はなぜかそう感じた。


どうしてだろう？


その疑問は解けないままホームルームは終わり休み時間になった。


「七瀬さん」


また、九条くんは私に話しかけてくれた。


私が彼の方を向くとまた、爽やかに笑って。


「もし良かったらなんだけど放課後、俺に付き合ってもらえないかな？」


「えっ？」


え、どうして私なんか？心の中でパニックになってしまう。


「ダメかな？」


九条くんは少し寂しそうにそう言った。


そんな顔しないでと思ってしまう。


申し訳なくなっちゃうよ…