嫌いな体
家に帰っても、私は同じイラナイモノ。


「あんたなんか産まなきゃよかった」


母は私を見るたびに言う。


私の家系は和の伝統芸能ある家本。
しきたりにより、後継ぎは長男以外認めない。


そんな中、私が産まれた。
この家の子供は、私一人だった。


父も他界。
もう子供は作れないだろう。
いや、作らないのだ。
母は父しか愛してないからだ。

だから、女に産まれた私を母は憎んでいる。


「なんであんたみたいな子が産まれたんだか」


自分が産んだ子だろうが。
私だって‥私だってこんな体で産まれたくなかった!!


「あんたが私を産んだんだろう!だったら、私をなんで男で産まなかった!!!」


私は枯れるくらいの声で叫んだ。


「うっうるさい!!!」


――パシッ!
私は母の平手打ちを喰らった。


私は母を睨んだ。
今、怒り、憎しみを目でしか表せない自分が悔しかった。


「何よその目。早く消えて‥私の前から消えて!」


私はとりあえず部屋に戻った。


悔しい‥憎い
女なんか嫌いだ‥
だけど、私は女だ。
なんで、私の体は女で産まれてきたんだ。


憎い‥自分が憎い‥!!
私の体が嫌い。


捨てよう。
女を捨てよう。
私を捨てよう。


全てを捨てよう。
私は決意した
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