嫌いな体

完璧な男


―――数年後――‥


「ねぇ、あんたカッコイイね。私と遊ばない?」


ある街角では女がナンパをしていた。
静かに座り込む帽子を男に女が話しかけている。
少し何も話さずに見る男。


‥こいつは‥どうかな‥


「‥いいよ」


――ファサッ‥
男は被っていた帽子をとる。
帽子に隠れていた髪が風になびく。
そして、綺麗な顔もはっきりと見えた。

女は思わず顔を赤める。


「マジカッコイイんですけど‥」


ボソッと言う女の言葉に男は気づかず歩く。

ちらちらと周りが見る。
たしかに、彼は顔が整っている。
隣の女も彼にくぎづけだ。


「ここ入ろ?」


にこっと笑う女はホテルを指差す。
男はホテルを見上げ、女を見た。


「‥おまえも一緒か‥」


男は女の手を引き、路地裏に連れて行く。


「えっちょっと‥ここでやる気??」


女は理解できてないまま男に聞く。
そして、男はニコッと笑う。


――ガンッ!!
男は女を壁にたたきつけ、手を女の上の壁につけ、覆いかぶさる状態。
そして、上から女を睨む。


「おまえみたいな汚ねぇ女とやんねーよ。うせろ」


それだけを言い残し男は去って行った。


世の中の女はみんな一緒。
薄汚い女だらけだ


「女は嫌いだ」


そう言って、また男は街の中へ消えて行った。
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