極悪プリンスの恋愛事情
「あ、そうだ!私、凛くんに話したいことがあったんだよね!」
思い出した勢いでポンッと手を鳴らす。
凛くんは嫌そうな顔をしていたけど「なに?」と、返事をくれた。
「えっとね、実は後夜祭のダンスパートナーを探してまして…………」
「あぁ、そんなつまらないイベントもあったか」
「う、うん!でねっ、凛くんが私のパートナーになってくれたら嬉しいな〜なんて…」
ちょうど2人きりだし、言うなら今しかないと思った。
わざとらしく使った上目遣いで凛くんの曇り顔が見えた。
やばい………さすがに調子に乗りすぎ?
わずかな沈黙にも耐えきれず「ダメデスカ?」と、カタコトが出てしまった。