極悪プリンスの恋愛事情
「無理。なんで俺が花野井と踊らなきゃいけねーんだよ」
うぅっ………。
悩む振りすらしてくれない容赦のなさに冷や汗が出る。
そりゃあ返事は聞かなくてもわかってたよ。
言わないで後悔するより、言って後悔した方がマシだと思ったから僅かな希望に縋ってみただけ。
「やっぱりだめだよね……」
がっくし。
これで後夜祭ぼっちは確定。
1人寂しく校庭で踊るみんなの鑑賞会かぁ。
なんて虚しい……。
「まず俺は文化祭行かねーし、踊りたいなら他のやつに頼めよ」
「他の人といるくらいだったら1人でいた方がマシだもん……」
「は、なんで?」
「凛くんが好きだからだよ」