極悪プリンスの恋愛事情
好きでもない人と後夜祭を過ごすつもりはない。
皐月みたいに仲の良い相手を誘う人だっているけど、大半は意中の異性を誘うもの。
だからこそロマンチックなイベントになるんだ。
「ふーん」
けれど、凛くんは興味無さげに言う。
やっぱり女嫌いな凛くんにとって、こういうロマンチックなイベントは苦痛でしかないのかな。
せっかくのラブイベントを生かせないなんて、難攻不落にもほどがある。
「じゃ、せいぜい1人で泣いてろ」
「えぇ!?なにそれ酷い!」
ぷくっと頬を膨らませれば「きもい」と、冷たい言葉が飛んでくる。
言い返してやろうと口を開けたけれど、
「じゃあ俺こっちの道だから、絶対ストーカーすんなよ」
と、睨まれた。