極悪プリンスの恋愛事情
テストかぁ。なるほどねぇ。
手持ち無沙汰になったシャーペンを回しながら、心の中で呟く。
…………って、テスト!?
「ちなみに赤点とったやつは冬休み中にみっちり補修するからな」
先生の言葉にドキリとした。
文化祭の余韻に浸りすぎて、テストの存在を完全に忘れていた。
先生が教えてくれた問題だって当然のように聞いてない。
私、やばいかも……。
サーッと血の気が引く。
「じゃあ、今日の授業はここまで」
先生がそう言うと、タイミングよくチャイムが鳴った。
昼休みになったばかりの教室はすぐに騒がしくなって、聞こえてくる会話はテストのことばかり。
「赤点者は冬休みないってやばくない?」
前の席に座っていた皐月がこちらを振り返る。
「や、やばいよね……」