極悪プリンスの恋愛事情

いつも余裕そうにしてるのに、意外と照れ屋なのかな。

耳まで赤くなっているのがおかしくて、少しだけ笑ってしまった。


「なんで笑うんだよ」

「可愛いなぁって思って」

「絶対バカにしてるでしょ。まぁ、笑えるくらい元気になったならいいけど」

「あ、」


岸本くんのおかげでいつの間にか泣き止んでいたらしい。

瞼に触れても新しい雫がこぼれ落ちてくることはなかった。


「俺、まじで頑張るから期待しててよ」

「うん」


………岸本くんとデートかぁ。


きっと楽しいんだろうな。



凛くんのことは今でも大好きだし、これからもずっと好きでいる自信はある。


けれど、気兼ねなく話せる岸本くんとの関係もすごく心地が良かった。



この気持ちは全部、嘘じゃない。