極悪プリンスの恋愛事情
戸惑いと否定
「うそ、売り切れ……!?」
初めて見る赤色のランプに驚いた。
大好きなオレンジティーのために今日も購買前の自販機まで来たのに。
まさか売り切れてるなんて。
「えー、ショック……」
思わず独り言が飛び出してしまうくらい、私にとってかなり落ち込む出来事だった。
あーあ。
他に飲みたいものもないし、大人しく教室に戻ろうかな。
テストまであと3日しかないから、オレンジティー飲んで気合を入れたかったのに。残念。
毎日勉強しているせいか、疲れが溜まって余計に元気が出ない。
重たい足取りのまま歩くだけでため息が溢れてしまいそう。
はぁ、と。
宣言通り息を落とした。
そのとき。
「………おいっ……凛…………!」
中庭から聞こえた声に思わず振り返った。