極悪プリンスの恋愛事情
………帰ろう。
本当は今すぐ側に行きたいけど、ギクシャクした関係のままじゃ今まで通りに笑えない。
私だけが気まずくて、凛くん自身がなんとも思っていないことが悔しい。
所詮私なんてファン子たちと大差ないんだろな。
ちょっとした優しさに舞い上がって、特別になれたのかもしれないと優越感に浸ったりして。
私の知らないところで凛くんが別の誰かと一緒にいても不思議じゃないのにね。
一頻り考え込んでから校舎へ戻ろうと重たい腰を持ち上げた。
「俺、今回のテストで1位とったら花野井ちゃんとデートする約束したから」
え……?
途端、体の動きが止まった。
「は?そんなの俺には関係ないだろ」
「俺と花野井ちゃんがデートしてもいいんだ?」
「勝手にしろ。つーか、いちいち聞くな」
「へぇ、そっか」