極悪プリンスの恋愛事情
「私そろそろ帰っ────────」
「でも、瑛斗に嫉妬してたんだ」
気がついたら凛くんがこちらを見据えていた。
向けられた眼差しは心ごと吸い込まれそうなほど真剣で。
囚われたらもう逃げられない。
「だから邪魔した。徹夜でバカみたいに勉強して、らしくもなく本気出して……………。ここまでしないと自分の気持ちを測れないなんてかっこ悪いよな」
理解不能………なんかじゃなかった。
一瞬、それも冗談でしょ?と言葉が過ぎったが、すぐに飲み込んで消し去った。
そのまま受け止めていいのなら、今すぐにでも叫び出してしまいたい。
「本当に私のためだったの………?」
素直に言葉を吐く。
「まぁ、そういうことになるよな」
凛くんも受け入れるように返答した。
…………やばい。
私はなんて現金なんだろうと呆れてくる。
ついさっきまでここに居るのが泣くほど嫌だったのに、今は嬉しくて仕方がない。
私の感情の全ては凛くんの手の中だ。