極悪プリンスの恋愛事情
「ね、凛くん。あそこのお店入ってもいい?」
ショッピングモールを歩いて数分経った頃、よさげなブランドのお店を見つけた。
レディースもメンズも取り扱っているキレイめなファッションブランドで、たしか私たちの年代の子に人気だって雑誌にも載っていた気がする。
「勝手にどーぞ」
いつもの素っ気ない返事をもらったところで、さりげなくメンズラインの入り口から店内に入った。
ゆっくりと店内を歩きながら視線だけでマフラーを探す。
小物コーナーみたいなところに纏めて置いているのかと思ったけど、結構いろんな場所にあるらしい。
種類もたくさんあってどれがいいのか迷ってくる。
凛くんはどういうのが好みかな……?
隣に立つ凛くんにこっそり視線を向けた。
「なに?」
「へっ!?」
てっきり服を見てるかと思ったのに、ちょうど目線がぶつかってしまった。
そういえば、こっそり見るのほとんど成功したことないかもしれない………。
もちろん今更気づいても遅いわけで。
「っと……可愛い服たくさんあるなーなんて……」
「ここメンズコーナーだけど」
「えーっと、それはー……その……」