極悪プリンスの恋愛事情
相容れない
結局、昼休みになっても凛くんは教室に戻って来なかった。
岸本くんも連絡つかないって言ってたし、どこ行っちゃったんだろう………。
ちらりと凛くんの席を見るなりため息が溢れる。
すると、
「そんなに気になるなら探しに行けば?」
目の前でお弁当を食べていた皐月が、じっと私を見ていることに気がついた。
慌てて「なんのこと?」と首を傾げてみたけど、案の定鼻で笑われれる始末。
「誤魔化すの下手すぎ。さっきからずっと相崎の席見てたじゃん」
「そ、そっかな〜?」
「だから下手だって」
鋭い言葉が胸に刺さる。
そうです見てました。かれこれ10回以上は。
素直に認めて「だよね」と苦笑い。
誤魔化すの苦手なんだもん。特に凛くんのことに関しては、ね。
「相崎っていつも中庭にいるんじゃなかったの?」
「いつもはそうなんだけど、今日はどこにもいなくて……」
休み時間のたびにそれとなく校内を探してみたけど、収穫はゼロ。
鞄もないままだし、帰っちゃったのかな。
ここまでくると避けられているような気にもなる。
……考え過ぎかもしれないけど。