極悪プリンスの恋愛事情





あれから、休み時間のたびに凛くんの周りには人集りができるようになっていた。

いつもファンの子に囲まれてはいるんだけど、今日の盛り上がり方は異様だ。


恐らく今朝の“お前らとも遊んでやろうか”発言が効いたんだと思う。

いっつも冷たくしてるくせに今日はにこにこ楽しそうにしちゃってさ……。


「あぁ、もう!」


やるせ無い気持ちを発散するように、パンの袋を思い切り引き破った。


──後、勢いよく飛び出したパンが宙を待って床にポトリ。

う、うそ………。


「あーあ。静香ったら何やってんの」

「ははは………3秒ルール使えばまだ食べれるかなぁ」

「もうとっくに3秒超えてるから。早く購買で新しいの買ってきな」


皐月が呆れた顔で笑っていた。


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