極悪プリンスの恋愛事情
「課題のプリント……机に入れっぱなしだ……」
「え、まじ?」
コスメショップを目前にして今更忘れたことに気づくとは。
なんていうか、最悪。
「ごめん皐月……ちょっと取りに行ってくる」
「一緒に行こうか?」
「大丈夫!すぐ戻るから!」
踵を返して走り出した。
全力で走れば5分くらいで着けるはず………!
あーあ、今日はなんでこんなにツイてないんだろう。
お昼にパン落としたり課題忘れたり、普通に自分が可哀想。
ファンの子たちからの嫌がらせに耐えてるんだから、それ以外のことで悲しい気持ちにさせないでほしい。
ただでさえ様子が変わった凛くんのことで頭がいっぱいだというのに。
考えないようにしなきゃって思うたび頭の中をぐるぐる巡って仕方がなかった。
……なんで急に“あんなこと”言ったんだろう。