極悪プリンスの恋愛事情
聞こえてきたのは私の話だった。
壁に寄りかかる凛くんを囲むように女の子たちが立っていて、全員が威圧的な瞳を向けている。
「お前らの相手もしてやるって言ってんのに何が不満なわけ」
「相崎くんがあの子を気にかけてるのが嫌なの!不公平だもん!」
「俺は花野井にこれっぽっちも興味ねーよ。お前らが手出すから周りが勘違いして変な噂流れてんだろ」
「でも、デートしてたのは事実じゃん!」
「なら、次はお前と遊んでやるよ」
「えっ、うそ!?」
「ほんと」
にこりと微笑みながら1人の女の子に近づく凛くん。
なにしたい?と耳元で囁く姿を見て、周りにいる子たちも騒ぎ始めた。
「えっと……その……駅前のカフェ一緒に行くとか……」
「いいよ。行こうか」