極悪プリンスの恋愛事情


頬を赤らめて嬉しそうにはしゃぐ姿が羨ましかった。


心のどこかで凛くんはファンの子たちを相手にするわけないって思ってたのに。

なんだ、全然違うじゃん……。


悔しさに耐えかねてぎゅっと唇を噛み締める。

他の子たちも私と同じように羨望の眼差しを向けていた。


「今から行こうよ!ね!」


ぎゅっと凛くんの手を掴んで教室のドアを指差す女の子。


やば、こっち来ちゃう……!

見つかったら騒がれて面倒だし隠れなきゃ。


辺りを見回して廊下の角に逃げ込もうとした。


「このまま俺と一緒にいたら、次にいじめられんのはお前かもね」


ふっと、笑うような声が聞こえて思わず振り振り返る。

急いで中の様子を確認すると、さっきまで浮かれていた女の子の顔が一気に青ざめているのが見えた。


他のファンの子たちはひそひそと耳打ちをしていて、教室全体に不穏な空気が漂っている。


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