極悪プリンスの恋愛事情
えっと………。
状況を飲み込めず数秒フリーズ。
いろんなことが起こりすぎて頭の中がパンクしそう。
とりあえず机に入ってる課題を取らなきゃ………いけないのに。
何食わぬ顔で教室に入れるわけがなかった。
凛くんいるし、どうしよ。
「くそっ………!」
教室からドンッ!と壁を叩く音が聞こえて肩を震わせた。
「こんな方法でしか花野井を守ってやれないのかよ……」
─────私の、ため………?
届いた声に驚いて崩れるようにその場にしゃがみ込んだ。
もう泣かないと決めていたはずの涙があっという間に落っこちる。
「っ、うぅっ……」
凛くんがどうして“あんなこと”を言ったのかようやく理解した。