極悪プリンスの恋愛事情
「久しぶり……って言うのも変か」
林田さんは照れくさそうに笑いながら「花野井さんも学校帰り?」と、問いかけてきた。
「は、はい………」
「そっか。私たち学校近かったんだね〜」
気まずい……と思ってるのはどうやら私だけらしい。
普通に話しかけられると接し方に困ってしまう。
「もしかしてバレンタインの買い出し?」
「まぁ、そんなところです……」
「もうすぐだもんね。私も彼氏にあげるチョコ練習しようと思って」
彼氏かぁ……。
あの時一緒にいた人がおそらく恋人だったんだろうな。