極悪プリンスの恋愛事情
私だけの身勝手な恋だったのに、誰かに感謝される日が来るなんて夢にも思ってなかった。
こんなこと言われたら尚更頑張んなきゃって気持ちになる。
「凛くんのことは私が絶対幸せにします!」
昔の傷がどうでもよくなっちゃうくらい、全力を尽くすって約束するから。
ぎゅっと、林田さんの手を握った。
「なにそれ。プロポーズみたい」
「あ、いや……そんなつもりでは」
「いいね。そのくらい真っ直ぐな方が凛には響くと思うよ」
「林田さん……」
「じゃあ、私はそろそろ行くね。話聞いてくれてありがとう。会えて嬉しかった」
「私も、会えてよかったです………!」
林田さんのためにも、凛くんに私の気持ちを全力で伝えなきゃ。
バレンタインまであと少し。
今度こそ凛くんが振り向いてくれるといいな。
そう、願った。