極悪プリンスの恋愛事情
「ね、ねぇ……なんて言えばいいと思う?」
「俺に聞かないでよ」
「だって男の人からの意見って大事じゃん!」
「うーん、そうだなぁ………」
岸本くんは一度考え込んでから口を開いた。
「あくまで俺の意見だけど、“好きです”ってストレートに言ってもらえるのが1番嬉しいかな」
「そっか……」
ごくり吐息を飲んでもう一度岸本くんと顔を合わせたら、ドキドキと心臓が高鳴った。
練習とは言えさすがに緊張する……。
なんだか私が本気で岸本くんに告白するような気さえしてきた。
せっかくの練習なんだから、凛くんのこと考えなくちゃいけないのに。
目を閉じて、大好きな人の顔を思い浮かべた。
────よし。
「好きです!」