極悪プリンスの恋愛事情


「ね、ねぇ……なんて言えばいいと思う?」

「俺に聞かないでよ」


「だって男の人からの意見って大事じゃん!」

「うーん、そうだなぁ………」


岸本くんは一度考え込んでから口を開いた。


「あくまで俺の意見だけど、“好きです”ってストレートに言ってもらえるのが1番嬉しいかな」

「そっか……」


ごくり吐息を飲んでもう一度岸本くんと顔を合わせたら、ドキドキと心臓が高鳴った。

練習とは言えさすがに緊張する……。


なんだか私が本気で岸本くんに告白するような気さえしてきた。

せっかくの練習なんだから、凛くんのこと考えなくちゃいけないのに。


目を閉じて、大好きな人の顔を思い浮かべた。


────よし。


「好きです!」


< 332 / 363 >

この作品をシェア

pagetop