極悪プリンスの恋愛事情
「───あのさぁ、とんでもなく恥ずかしいんだけど」
凛くんの声が聞こえて慌ててマイクのスイッチを切った。
「ご、ごめんね!我慢できなくてつい………」
「“つい”でマイク奪うなよ。まだ話の途中だったのに」
「え!続きあるなら聞きたい!」
「無理。疲れた」
「そんなこと言わないでよ〜!」
詰め寄って大袈裟に体を揺らしてみたけど、凛くんは頑なに口を割らなかった。
もう!こういうときくらいサービスしてくれてもいいじゃん!
ムッと口を尖らせたら呆れた顔で笑われて。
「───ほんと、花野井には叶わないね」
ぎゅっと、私の体を抱き寄せた。