極悪プリンスの恋愛事情
「悪いけど、あいつ以外興味ないんで」
凛くんの声にきゅんっと胸が高鳴った。
しかも私だけじゃなくて、周りにいたファンの子たちも同じらしい。
「今の聞いた!?」
「超かっこいい〜!」
さっきより更に盛り上がってる。
このまま傍観してたら凛くんの人気が加速してしまうに違いない。
「凛くん!おはよう!」
耐えきれずに凛くんの元へ走った。
ファンの子たちの壁をかき分けて、ようやく凛くんの前に到着。
「おはよ、花野井」
私だけに向けられる穏やかな笑みに早速心臓を打ち抜かれた。
そういえば、凛くんから“おはよう”って言ってもらえるの初めてかもしれない。
いつもため息吐かれてばかりだったから、新鮮だなぁ。