迷惑な運命
目の前で、中谷君は、真剣な顔で言ってきたけど。
恥ずかしくて、事実を受けとめきれなくなった私は、
中谷君の手を振りほどいて教室を飛び出した。
5組の前で立っていたら、京香と茉莉が来てくれた。
「中谷君に、告白されて、逃げてきちゃった。」
どこからか溢れる涙をこらえて、言った。
どうせ遊びなんだろうけど!
空き教室に避難し、私は話を聞いてもらうことにする。
「ほんとは、いやじゃなかった。
なんでかわかんないけど。
でも、龍の顔が浮かんできて…………………。」
中谷君からのキスを、拒絶しようとは思わなかった。
でも、私は龍が好きなのに、っていう罪悪感を感じる。
嬉しさと罪悪感が混ざった、気持ち悪い色。
背中をさすってくれる茉莉から、驚きの言葉が出てきた。
「結愛は、ほんとは中谷君が好きなんだね。」