迷惑な運命
「あははー!」
楽しそうに笑う、結愛の姿が目に入る。
クラスの女子と、亜月(あつき)の話をしてるらしい。
「都築君は……」
ほら。また亜月の名前が出てきた。
もう、亜月の話なんてやめろよ。
聞きたくない。
ーガタッ
俺は結愛に話しかけた。
兄貴のことを話のネタにした。
くそ兄貴、助かったぜ。
「超怒られたんだけどー!」
「ごめんなさい……。」
ちょっと責めただけなのに、悲しそうな顔をする結愛。
ナニコレ、かわいいすぎ。
ー本能が叫ぶ
この子が欲しい、と。
ー理性が囁く
彼女はあの子じゃない、と。
ー本能が叫ぶ
あの子なんて関係ない。
結愛が欲しい、と。