迷惑な運命
理性は本能に沈められた。

結愛の細い手を引く。


軽い結愛の体は、簡単に傾く。


左手で結愛を支えて、右手で顎を持ち上げる。


理性がそっと囁いた。


ーその顔に騙されるな。


ーその声に騙されるな。


 ー彼女はあの子じゃない。


でも、そんなの関係なかった。



俺はただ、結愛が欲しかっただけ。

< 15 / 34 >

この作品をシェア

pagetop