迷惑な運命
Side 伊大
「中谷君は……」
クラスメイトに質問責めにされてる結愛。
困ってる顔も神かわいい。
おまけに今日は俺の話をしてるみたいだ。
「なぁ、おまえは要が好きなんだよな?」
亜月が聞いてくる。
「そうだけど。」
当たり前だろ。
神かわいいんだから。
「要の元カレ、知りたい?」
「はぁっ!?」
何何?なになになに?
アイツ、元カレいんのぉぉぉ?!
ーうそぉ・・・。
「えっ?誰だれ?」
「雲英津(きらづ)高1年
滝山 龍 要の中学の同級生だ。」
そう言って、スマホを差し出される。
画面には、雲英津高の制服を着た、整った顔立ちの男が映っていた。
「ちょっと待て、雲英津って……」
まさかあの………雲英津?
「あぁ、あの雲英津高だ。」
衣月はうなずく。
雲英津高といえば、できるヤンキーが集まる高校として有名だ。
偏差値もかなり高く、本当に頭のいいヤツばかりだ。
でも、スマホに映っている男には、そんな雰囲気はない。
暗い茶髪混じりな髪は、染めてなさそうだし、
ピアスも開いていない。
しかし、衣月は驚くべき事実を教えてくれた。
「コイツ、月鬼(げっき)の副総長。」