迷惑な運命
要 結愛《かなめ ゆい》と書かれたバッグを握りしめて、
私はベランダで待機中。
龍に、コクってはフラれていく女の子たちを、静かに見守っていた。
中学の卒業式。
高校が彼と離れる人たちは、思いを伝えていた。
私も、その1人。
1人、また1人とフラれていくごとに、安心する。
そして、次は私の番だ、って、緊張する。
口から心臓が出てきそう。
さっき出てった子で最後だったみたいで、
教室には、龍が1人。
ー今だ。
私はベランダから教室に入った。
龍の方を向いて、一言だけ言う。
「ずっと前から、好きだよ。」