迷惑な運命
私たちを睨む人がいることには、薄々気づいてた。
でも私は、いつも通りに、中谷君たちと、お昼を食べる。
「そういえば、中谷たち、月鬼の話してたよね?」
会話を繋いでくれるのは、決まって香織。
「そうだけど?」
都築君が、静かに返す。
香織。これ以上聞かない方がいいって!
香織に目線で訴えるけど、香織は気づかない。
「誰か知り合いでもいるの?
イケメン紹介してよー!」
えぇー……。
この空気で、それを言うの?!
天然だったの?香織。
あと、都築君たちもイケメンだと思うんだけどなぁ…。
「えぇー。イケメンならここにいるじゃん!」
自分を指しながら笑う中谷君。
よかった。空気変わった。
「違う。探してる人がいるの。リュウって人なんだけど、知らない?」
ーリュウ……?