迷惑な運命



私たちを睨む人がいることには、薄々気づいてた。

でも私は、いつも通りに、中谷君たちと、お昼を食べる。


「そういえば、中谷たち、月鬼の話してたよね?」


会話を繋いでくれるのは、決まって香織。


「そうだけど?」


都築君が、静かに返す。


香織。これ以上聞かない方がいいって!


香織に目線で訴えるけど、香織は気づかない。


「誰か知り合いでもいるの?
イケメン紹介してよー!」


えぇー……。


この空気で、それを言うの?!


天然だったの?香織。

あと、都築君たちもイケメンだと思うんだけどなぁ…。


「えぇー。イケメンならここにいるじゃん!」


自分を指しながら笑う中谷君。


よかった。空気変わった。


「違う。探してる人がいるの。リュウって人なんだけど、知らない?」


ーリュウ……?






< 27 / 34 >

この作品をシェア

pagetop