迷惑な運命
満足そうな笑顔をしている彼は親しげに話しかけてきた。
「いやー、こんなとこで再会するとはねー。マジびっくりだな。」
いやー、って、どちら様だよ!
声は、どこかで聞いたこと、あるような、ないような、、、うーん(-_-;)
「おいおい、驚きすぎて声も出ないか?」
彼は私の顔をのぞきこんでくる。
近ッッ…///////
「あのぉ…、どちら様ですか?」
私はそう言うと、彼は驚いたような顔をした。
いや、変なことは言ってないけど。
しかし、すぐになにかを思い出したのか、
「ごめん。」
と言って、席に戻っていった。
なんだあれ。
前の席の子に、
「中谷《なかたに》君と知り合いなの?」
と聞かれた。
「ううん、知り合ってない、と思う。」
そうだよね……?
前の席にの子ー柿谷さんによると、
入試の時に超イケメンって話題になっていたらしく、
ほとんどの女子生徒は知っているとか。
周りの男子と盛り上がっている中谷君の見てみる。
言われてみれば、けっこうイケメンだな。
今まで龍しかみてこなかったもんなぁー。
ジーっと中谷君を見ていたら、
『バチッッ!!!!!!!』
目があった。
急いで目をそらしたけど、
なんだか心が落ち着かなくて、
「ほんとに知り合いじゃないの?」
と、柿谷さんに念を押されてしまった。
式が終わり、教室の席につくと、となりには中谷君が座ってた。
どうしたら「要」と「中谷」が出席番号で隣になんだよ!
「さっき、俺のことめっちゃ見てたな。」
と言った中谷君は、私に軽くキスをしてきた。
ほんの一瞬、くちびるが、触れる。
彼のくちびるが、私のくちびるに。