迷惑な運命



どうやら私は、昨日の1件で有名人になったよう。

女の子たちから注がれる目線が心に刺さる。


「結愛のせいじゃないから気にしないの❗」


京香はそう言ってくれるけど、

私に向かって放たれる視線は、私を敵としてみるものばかり。

 私をこんな事態に陥れた張本人は、

のんきにハーレムを楽しんでいるようで


「伊大くーん‼あたしにもキスしてー‼」



と群がる女の子たちに、投げキッス。



「信じらんない……。」


と、普段は穏やかな茉莉がキレかけてる。


茉莉こわっ!


教室でも、女の子たちの視線はやむことはなく、



「あの子でしょー、伊大くんにキスしてもらった子。」



と何度も指を指された。


指指すなっっっっ!!



私は、中谷君なんかじゃなくて、龍にキスされたかったのにー!


中谷君のキスなんていらなかったー‼


あなたたちにあげたかったわー‼


勝手にキスされて、人に指を指される私の気持ちも知ってくれー‼



柿谷さんは普通に接してくれるけど、

他の子は、明らかに私を避けてる。


隣で談笑している中谷君に向かって心の奥で叫んだ。



わたしの青春に何してくれるんだー!



すると、中谷君は私の心の叫びが聞こえたのか、話しかけくる。


話しかけないでーーー!



「何?俺、なんかした?」



したね!私の青春をズタズタにしてくれちゃったね!



「や、別に。」


いや、冷静に、冷静に。



よく見ると、中谷君のとなりには、見覚えのないイケメンがいた。


中谷君とは逆な感じ。クール系かな?



「都築が気になるの?」



柿谷さんがニヤニヤしながら聞いてきた。


「うーん、中谷君以外にもカッコいい人いたんだね。」



「そーね。都築は推薦だったから、ノーマークだったわー。」



へー、と相づちをうちながら、柿谷さんの言葉に驚く。

柿谷さん、イケメンをマークしてるのか。



龍は柿谷さんから見たら、イケメンなのかなぁー?





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