お見合い結婚狂騒曲
土田さんの後に続き、私と公香も第一打ち合わせ室に入る。
小部屋と呼ぶに相応しい四畳半ほどの部屋だが、白いレースのカーテンといい、小花の壁紙といい、我が自室よりお洒落だ。
そのうえ部屋には、丸テーブルと椅子、幸福の木と呼ばれる観葉植物、天井までの本棚にはウエディングに関する情報雑誌と写真集が並ぶだけで、無駄な物が一切置かれていない。
毎度ここに来るたび、自室のゴチャゴチャを思い浮かべ反省する。
「どうぞ、お座り下さい」
勧められるまま腰を下ろすと、トレーを持った真斗さんが早々やって来る。
彼の登場と共に、コーヒーの香りが部屋に充満する。
「で、どうしたというのです?」
真斗さんがコーヒーを各々の前に置きながら訊ねる。
「葛城様からのお返事は?」
「あっ、仮交際したいと連絡が入りました。一回目は今週末です」
「他には、何か仰っていませんでしたか?」
ん? と真斗さんは怪訝な顔をする。
「他にはとは?」
土田さんが先ほどの話を掻い摘んで話す。
「エッ、あの爺様が!」
あちゃー、と真斗さんは掌で目を覆い宙を仰ぐ。
何だこの芝居染みた大袈裟なリアクションは! どう捉えたらいいのだ?
小部屋と呼ぶに相応しい四畳半ほどの部屋だが、白いレースのカーテンといい、小花の壁紙といい、我が自室よりお洒落だ。
そのうえ部屋には、丸テーブルと椅子、幸福の木と呼ばれる観葉植物、天井までの本棚にはウエディングに関する情報雑誌と写真集が並ぶだけで、無駄な物が一切置かれていない。
毎度ここに来るたび、自室のゴチャゴチャを思い浮かべ反省する。
「どうぞ、お座り下さい」
勧められるまま腰を下ろすと、トレーを持った真斗さんが早々やって来る。
彼の登場と共に、コーヒーの香りが部屋に充満する。
「で、どうしたというのです?」
真斗さんがコーヒーを各々の前に置きながら訊ねる。
「葛城様からのお返事は?」
「あっ、仮交際したいと連絡が入りました。一回目は今週末です」
「他には、何か仰っていませんでしたか?」
ん? と真斗さんは怪訝な顔をする。
「他にはとは?」
土田さんが先ほどの話を掻い摘んで話す。
「エッ、あの爺様が!」
あちゃー、と真斗さんは掌で目を覆い宙を仰ぐ。
何だこの芝居染みた大袈裟なリアクションは! どう捉えたらいいのだ?