お見合い結婚狂騒曲
「アイツ、小さい頃から美少女でさ、それを自覚しているから超高飛車で、女王のように振舞ってきたわけ」

「でさぁ」と苦笑いを浮かべる。

「そういう奴ほど、振り向かない奴に執着するんだよな」

嗚呼、と頷く。

「葛城圭介さんは、その振り向かなかった奴、だったのですね」
「そう。でもさあ、二十も離れていたら、俺だってヤダよ」
「あら、真斗は光源氏になれると思っていたわ」

花香さんがクスッと笑う。

「そりゃあ、俺も男だから、真っ白な者を俺色に染めてみたいっていう願望はありますよ。でも、それはあくまで願望であって、実際は無理。面倒くさい」

へー、ちょっと誤解していたかも。意外に節操無しじゃなかったんだ。

「でさあ、瑠璃の奴、圭介を絶対に落とす! と言って、押し掛けフィアンセになっちゃったんだよ」

何だそれ!

「爺様も面白がっちゃって、瑠璃が十八歳になるまでに圭介が結婚しなかったら、瑠璃と結婚しろって言っちゃった訳」

「結婚を冒涜していると思わない!」

怒り心頭の花香さんが盛大な舌打ちをする。
相当お怒りのようだ。
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