お見合い結婚狂騒曲
05)波乱万丈の仮交際
「へー、日帰りで北海道に行って来たんだ」
日曜の夜七時。テーブルいっぱいの北海道土産を見下ろし、公香が嬉々とする。
「驚かないの? 日帰りだよ。ここは普通ツッコムとこじゃない?」
「そう? 天下の葛城圭介が相手だし、それこそ普通じゃないない?」
ーー普通って何だろう? 分かんなくなってきた。
「ところで、どうして今日来たの? 私は、明日、取りにおいで、と言ったと思うけど?」
北海道から帰ってきたばかりだ、もうクタクタだった。
それに……葛城圭介のあの言葉の意味が分からない。嗚呼、悶々とする。
「だって、旦那様が出張中で暇だったんだもん」
もん、とピンクの唇を、可愛く突き出すあたりが、あざとい。
公香は昔から、女を武器にするのがとにかく上手い。
それを指摘すると、「それが女の特権よ」と開き直り、「真央は人間が激辛過ぎる。甘味も覚えた方がいいよ。幸せになりたかったらね」と痛いところを突く。
「それに、ここからだったら仕事に行くのに便利だし」と持参した着替えを見せる。
本当、勝手な女だ。だが、言い返すと、逆襲されペタンコになるのは目に見えている。だから何も言うまい。
「それにしても、大量のお土産ね。真央ってば私に気を使ってくれたの?」
そんな訳、あるはずないじゃないか!
「それねぇ……」
日曜の夜七時。テーブルいっぱいの北海道土産を見下ろし、公香が嬉々とする。
「驚かないの? 日帰りだよ。ここは普通ツッコムとこじゃない?」
「そう? 天下の葛城圭介が相手だし、それこそ普通じゃないない?」
ーー普通って何だろう? 分かんなくなってきた。
「ところで、どうして今日来たの? 私は、明日、取りにおいで、と言ったと思うけど?」
北海道から帰ってきたばかりだ、もうクタクタだった。
それに……葛城圭介のあの言葉の意味が分からない。嗚呼、悶々とする。
「だって、旦那様が出張中で暇だったんだもん」
もん、とピンクの唇を、可愛く突き出すあたりが、あざとい。
公香は昔から、女を武器にするのがとにかく上手い。
それを指摘すると、「それが女の特権よ」と開き直り、「真央は人間が激辛過ぎる。甘味も覚えた方がいいよ。幸せになりたかったらね」と痛いところを突く。
「それに、ここからだったら仕事に行くのに便利だし」と持参した着替えを見せる。
本当、勝手な女だ。だが、言い返すと、逆襲されペタンコになるのは目に見えている。だから何も言うまい。
「それにしても、大量のお土産ね。真央ってば私に気を使ってくれたの?」
そんな訳、あるはずないじゃないか!
「それねぇ……」