お見合い結婚狂騒曲
「仕方がないだろう、時間はないが、僕も男だ」
「性欲はある、ってことですね」

本当、最低!

「だが、我々の間には本交際という契約がある」

ん?

「ーーこのお付き合いって契約なんですか……?」
「結婚も一種の契約だろう?」

そうなのか?

「だから、君とは食事をして、即ベッドインとはならない」

当たり前だ!

「もしかして、今まで承諾もなしにベッドに連れ込んでいたとか?」

それは犯罪だ!

「いや、連れ込まれた方だ」

ナヌッ! と一瞬驚いたが、この容姿だ、さもあらん。

「本当、今時の婦女子は大胆だよ」

だが、アンドロイドに迫るとか、チャレンジャーだ、と心の底から感心する。

「既成事実ができたら結婚できると思っているのだろうが、考えが甘いのだよ」
「で、なぜ振られるんですか?」

素朴な疑問だ。

「一回寝た相手と二回目は無い。要するに、寝ていない女にフラれるのだ。いくら僕でも、現在進行中の仕事関係者には手を出さない」

何だかよく分からないが論理だが、そういうマイルールがあるのだろう。

「でも、半年続いた女性がいたんでしたよね」
< 91 / 132 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop