君が好きだと心から叫ぼう
「催しものってフリーマーケットか」

公園につくととても賑やかだった、

広い公園の木陰を使ってフリーマーケットが行われていた。

「さよ、どっちから回る?」

「うーん、右!」

君はこうゆう催しものが好きだから、
調べておいて良かったって思う。
平然を装ってるけど内心ワクワクしてるのが伝わってくる

思わず笑ってしまうと君は
「なに、さよ笑ってるの?そんなにワクワクしてるの?フリーマーケットに」

ワクワクしてるのは君でしょ!って言いたかったけど目を輝かせた君が愛おしくて言うのをやめた。


「ねーねー、さよ、これさよに似合いそう」

「えー、どっちかっていうとこっちじゃないかな?」

「ん、これも似合いそう」

私に似合そうなアクセサリーを見つけては買ってくれる


「ねぇ?自分の好きなもの買いなよ、」

「さよが好きだからさ、どうしても見てるとさよの顔浮かぶの『あ!これさよに似合いそうだな』とか『好きそうだな』が止まらないの、好きなもの買ってるよ、さよへのプレゼント」

この人は平気でこうゆう恥ずかしいことを言うから

こっちが恥ずかしくて、私は君の肩をバンと叩き早足で歩き始めた。

後ろから「照れ隠し?」なんて聞こえたけど無視して、スタスタと歩いてると

ある木陰のブルーシートの上、ちょこんと置いてあるレトロなカメラが目に入った。

歩いてた足を止めて、そのカメラに近づいた

「…綺麗」

レトロなカメラなのに傷1つ無くて
私はそのカメラを徐ろに持ち眺めていた。

「気に入ったのかい、お嬢ちゃん」

「え?」

目の前にはこのレトロなカメラの持ち主と思われるおじいさんがいた

「す、すみません!!!」

慌ててカメラを置こうとしたら後ろからいつのまにか追いついてきた君がいて

「そのカメラ売りものですか?」

と質問していた。

それもそうだ。

カメラは結構遠くの位置に置いてあって
私は手を伸ばしてそれを取ったのだ

図々しいにも、程がある……

君の声かけにおじいさんは微笑んで

「お嬢ちゃんが気に入ったならプレゼントしようかな」

「え!いや、貰えません!こんなに綺麗に保存されてるって事はなにか特別なものなんですよね?」

「いや、貰ってくれ…妻と付き合いたてに買ったカメラなんだ。私は不器用でな、もうこの歳だし、カメラの中の写真を現像出来ないくらいに使いこなせん。唯一使える妻も先に行っちまったしな」

哀しげででもカメラを見る表情は愛しげで



奥さんへの愛が伝わってくる。


「…なおさら貰えません」


私が頑なにそういうと「いや、押し付けてしまって悪かったよ」と豪快に笑い飛ばしていた、


「じゃあ、俺が買い取ります。」



後ろでずっと黙ってた君がそう言った。







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