たとえ明日が遠くても、君との未来を信じてる
HRが終わった。遼のところを見てみると遼は、あんなにクールだし冷たいのに相変わらず彼の周りには人が集まっていた。女子もいたけど気にはしなかった。だって、遼は、100パーセント保証はできないけど今までいっぱい告白されてきたけど、OKしたことはないしその割りには毎日私と一緒に帰ってくれた。だから、心配することなんてきっとないよね。
「失礼します。バレーボール部の勧誘でーす!春野穂花ちゃん?来てー!」
そこにいたのは、高身長の女の子3人。
「は、はい。」
わたしは、少し驚いたけれど3人について行った。
「あ、あの、どこまでいくんで…」
わたしが言いかけたとき
「は?うっさい。」
1人の女の子がそういった。
「すみません、あのなんで私なんかを勧誘するんですか?私補欠だし、上手くないですし、」
私が自信なさげに言うと、女の子たちは顔をこわばらせ私を壁へ壁へと煽った。
「は?バレーボール部勧誘?なわけないじゃん。」
と訳の分からないことを言う先輩。
「え、じゃあ、何の用ですか?」
私がそう言ったとき、先輩は、壁に足を当てて
「あんた、遼くんと仲いいんだって?」
予想は的中した。こんなこと小学生の頃から、ずっとあった。
「まじ、離れてくんない?調子のんなよ。ぉまえにしばられて、りょぉくんかわいそぉ〜。遼とか呼び捨てしてんな。それと、バレー部絶対来んなよ。」
そう言って先輩は去っていった。
「めんどくさい」
ほんとめんどくさい。なんで、わけわかんないよ。縛ってないよ。
なんで…自然と涙で溢れてきて。視界が鈍ってきて私は座り込んだ。
「大丈夫?」
目を開けるとそこにいたのは、叶奈ちゃんだった。
「叶奈っ…。」
じわじわと涙がにじんで。
「穂花、、大丈夫だよ。まだ今日あったばっかりだけどなんかあったら相談してね。」
「あっ、呼び捨てごめん!」
そのタイミングは、二人とも同時で私たちは同時に笑顔になった。
「おらー、何やってんだ。今日は、午前中でかえりだぞ。早く帰れ!!」
先生にも怒られ散々だったけれど、私と叶奈は、教室に戻った。
「穂花、私、住んでるとこ晴此瀬なんだよねー。遠いから電車と車ダブル登校なんだぁ。じゃあねー!電車おくれちゃうー!」
と手を振り叶奈は、帰って行った。私も帰ろうかな…。私は、スクバに荷物をまとめて教室を出た。
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