君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている

あたしに、というか手紙の行く末を期待して盛り上がる友人たちを、ひどく遠くに感じる。


そんなに楽しみなの? 誰かと誰かが付き合うことが。

自分には関係ないことなのに、どうしてそこまで熱くなれるの?


あたしだって大会近くて大事な時期なのに、誰もそんなこと気遣ってくれない。


変化しないものに興味はない。変化するものにこそ価値がある。

盛り上がる周囲はそう言ってるみたいで、あたしの気持ちはすべて否定されているような気がして、悔しかった。


いや、寂しいのか。それともただ、悲しいのか。


わからない。わからないけど、日々大きくなっていく疎外感だけは、はっきりしていた。

誰もあたしに共感なんてしてくれない。あたしだけが、置いてきぼりをくらってる。


止まらない砂時計の中を、そろそろ息苦しく感じてきた。

例えあたしが窒息しそうになっても、落ちる砂のスピードはきっと変わらないんだろう。



いずれ砂に埋もれきるあたしを見て、深月は何を思うだろう。

とりあえず「バーカ」と、ガラスの向こうから呟くだろうな。それを想像すると、少しだけ笑えた。




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